ポンプやコンプレッサーなど、回転軸を備えた動力機械を総称して「回転機械」といいます。メカニカルシールは、回転機械の動力伝達軸に取り付けられるパッキンの一種です。自動車、船舶、ロケット、産業プラント機器から住宅用機器まで、さまざまな用途で使用されています。
メカニカルシールは、機械で使用する流体(水または油)が外部環境(大気または水域)に漏れるのを防ぐことを目的としています。このメカニカルシールの役割は、環境汚染の防止、機械の稼働効率向上による省エネ、機械の安全に貢献します。
メカニカルシールの設置が必要な回転機械の断面図を以下に示します。この機械は、大きな容器と、容器の中心に回転軸を備えています(ミキサーなど)。この図は、メカニカル シールがある場合とない場合の結果を示しています。
メカニカルシールありとメカニカルシールなしのケース
シールなし
液体が漏れてしまう。
グランドパッキン(詰め物)付
軸が磨耗します。
摩耗を防ぐためにある程度の漏れ(潤滑)が必要です。
メカニカルシール付
軸は磨耗しません。
漏れもほとんどありません。
この液漏れを抑えることをメカニカルシール業界では「シール」と呼んでいます。
シールなし
メカニカルシールやグランドパッキンを使用しない場合、軸と機械本体の隙間から液体が漏れます。
グランドパッキン付
機械からの漏れ防止のみを目的とする場合には、シャフトにグランドパッキンと呼ばれるシール材を使用することが有効です。しかし、シャフトにグランドパッキンが密に巻き付くとシャフトの動きを妨げ、シャフトの摩耗を引き起こすため、使用時には潤滑剤が必要となります。
メカニカルシール付
シャフトと機械のハウジングには別個のリングが取り付けられており、シャフトの回転力に影響を与えることなく、機械で使用される液体の漏れを最小限に抑えます。
これを確実にするために、各部品は正確な設計に従って製造されています。メカニカルシールは機械的取り扱いが難しい危険物や高圧・高回転の過酷な条件下でも漏れを防ぎます。
投稿日時: 2022 年 6 月 30 日