メカニカルシールとは何ですか?

ポンプやコンプレッサーなど、回転軸を持つ動力機械は一般に「回転機械」と呼ばれます。メカニカルシールは、回転機械の動力伝達軸に設置されるパッキンの一種です。自動車、船舶、ロケット、産業プラント設備から家庭用機器まで、幅広い用途で使用されています。

メカニカルシールは、機械で使用される流体(水または油)が外部環境(大気または水域)に漏れるのを防ぐ役割を果たします。このメカニカルシールの役割は、環境汚染の防止、機械の稼働効率向上による省エネ、そして機械の安全性の向上に貢献します。

下図は、メカニカルシールの設置が必要な回転機械の断面図です。この機械は、大きな容器と、その中央に回転軸(例:ミキサー)を備えています。図は、メカニカルシールの有無による影響を示しています。

メカニカルシール付きとメカニカルシールなしのケース

シールなし

ニュース1

液体が漏れます。

グランドパッキング(詰め物)付き

ニュース2

軸が磨耗します。

摩耗を防ぐために、ある程度の漏れ(潤滑)が必要です。

メカニカルシール付き

ニュース3

軸は磨耗しません。
漏れはほとんどありません。

この液体の漏れを制御することを、メカニカルシール業界では「シーリング」と呼びます。

シールなし
メカニカルシールやグランドパッキンを使用しない場合、シャフトと機械本体の隙間から液体が漏れます。

グランドパッキング付き
機械からの漏れを防ぐことだけを目的とする場合、グランドパッキンと呼ばれるシール材を軸に取り付けるのが効果的です。しかし、グランドパッキンを軸に強く巻き付けると、軸の動きが阻害され、軸の摩耗につながるため、使用時には潤滑剤が必要になります。

メカニカルシール付き
シャフトと機械ハウジングに別々のリングが取り付けられているため、シャフトの回転力に影響を与えずに、機械で使用される液体の漏れを最小限に抑えることができます。
これを実現するために、各部品は精密な設計に基づいて製造されています。メカニカルシールは、機械的に取り扱うことが困難な危険物質や、高圧・高速回転といった過酷な条件下でも漏れを防止します。


投稿日時: 2022年6月30日